診療の流れ

1. 初診

初診検診を行います。

2. 問診

現在の症状、治療に対してのご希望などをお伺いします。

3. カウンセリング

レントゲン写真を撮影したり、各種の診査を行います。

4. 治療計画の立案

治療方法を患者さんに示し、複数ある場合は相談の上、治療法を決めていきます。

5. 治療

痛みがある、噛めない、見た目に困るなどの、患者さんが困っているところから優先して治療をスタートします。

ご来院時の注意事項

  • お支払いは現金のみとなります。
  • 自由診療での詰め物・被せ物をご希望の場合は、印象採得時(型取り)に半額、セット時に残額をお支払いいただきます。

診療案内

■ 一般歯科

一般歯科では、むし歯や歯周病、詰め物・被せ物、抜歯の治療などを行なっています。
「歯が痛い」「親知らずを抜きたい」など、受診を考えたらまずは一般歯科での診療となります。
その上で例えばインプラント治療や歯科矯正治療など、専門的な科での診療が適切と考えられれば必要に応じて紹介を行います。

むし歯治療

むし歯の治療では、痛みなど症状が出ている歯の状態を確認し、むし歯の進行段階に合わせた治療を行います。
併せてむし歯が再発しないよう歯磨き指導を行なったり、詰め物・被せ物や歯の根っこの治療が必要になったりすることもあります。

CO(シーオー)

「CO(シーオー)」はCaries Observationの略称で、まだ発生して間もない初期の虫歯のことです。歯の表面に穴はあいていないため治療を必要としないことも多く、フッ素塗布などの予防処置により歯の再石灰化をはかり悪化を防ぎます。

C1

「C1」は、むし歯が歯の表面のエナメル質だけにとどまっている段階です。黒く見える、舌で触った時に違和感を感じる、食べ物が詰まりやすくなった場合はこの段階ですが、痛いなどの自覚症状が現れることはありません。歯の表面に穴があいているので、削って詰めるなどの治療を行います。

C2

「C2」は、虫歯菌が象牙質にまで及んでいる段階です。エナメル質のむし歯とは異なり、冷たいものや甘いものがしみるようになります。また、穴も大きくなることから、多くの患者さんがこの段階でむし歯に気付きます。むし歯になっている部分を削り、詰め物や被せ物をするなどの治療を行います。

C3

「C3」は、虫歯菌が歯髄にまで達し、歯の神経や血管を蝕んでいる段階です。「C3」は、むし歯全体の中で最も激しい痛みや不快な症状が現れる時期ともいえ、冷たいものだけでなく温かいものでも痛みを感じます。この段階になると、歯髄(歯の神経)を取り除いて消毒し、被せ物をする治療を行います。

C4

「C4」は、歯髄が完全に蝕まれてしまい死んでしまったことで痛みを感じなくなります。残っているのは歯根のみである場合が多いです。こうなると、治療をして元の状態に戻すのは困難であることから、多くのケースで抜歯となります。

歯周病治療

歯周病の治療では「歯周基本治療」が主となります。歯周基本治療とは歯磨き指導やクリーニング歯石除去などのことを指します。
これは歯周病の原因は歯垢や歯石であることが多いからで、歯垢や歯石は数多くの細菌を含んでいます。
毎日の歯磨きは習慣になっていても、その方法が誤っていれば細菌を取り切れず意味がありません。
その方法を再度見直しながら専門的なクリーニングと組み合わせて歯周病の治療を行なっていきます。

健康な歯茎の状態

健康な歯茎は、歯と歯の間の歯間乳頭(三角形の部分)に丸みがなく、全体的に引き締まってピンク色をしています。歯と歯茎の間に隙間はほぼなく、歯磨きやデンタルフロスなどの補助清掃用具を使用しても出血はおきません。

健康な歯は、歯茎や歯を支える骨などの歯周組織にしっかりと支えられ、かんたんには抜けません。

第1段階:歯肉炎

口腔内の清掃状態が不十分だと、歯周ポケットに歯垢が溜まり、歯茎が赤く腫れるなど歯茎に炎症が起こります。この歯茎にのみ炎症が起きる状態を「歯肉炎」といい、歯周病になる手前の状態です。
歯肉炎の段階では、自覚症状はほぼありませんが、歯磨き(ブラッシング)の際に出血などの症状が現れます。毎日の適切な歯磨きと、歯科医院でのメンテナンスを受けることで、健康な歯茎に戻すことができます。

第2段階:軽度歯周炎

歯茎の炎症が進んだ状態です。歯周ポケットにはもともと歯肉溝(しにくこう)と呼ばれる1~2mmの隙間がありますが、歯垢を除去できないままでいると、歯周病菌はさらに奥へと潜り込み、歯茎の炎症がさらに深い部分にまで達します。軽度歯周炎では、歯周ポケットの深さは3~4mmほどになり、歯茎や歯を支える骨などの歯周組織が徐々に破壊されていきます。
軽度歯周炎では歯茎の腫れ、歯磨きや食事の際の出血、冷たいものが染みるなどの症状が現れますが、この段階ではあまり深刻に考えない方がほとんどです。

第3段階:中度歯周炎

歯茎の炎症がさらに強く広がった状態です。ここまでくると、歯周ポケットは約4~6mmまで深くなり、内部には歯垢やそれが固まった歯石が大量に付着しています。歯茎の内側では歯を支える骨が溶け始めるため、歯がグラつくなどの動揺が起こるようになります。
歯茎の腫れや出血はさらに酷くなり、歯茎からは膿や臭いがでるなど状態が悪化します。歯茎が痩せて歯が長く見えるなど、目に見える形で症状が現れてきます。

第4段階:重度歯周炎

歯茎がさらに下がり、歯と歯の隙間も目立つようになります。この段階まで進行すると、歯を支える骨はかなり溶けてしまっていることから、歯のグラつきも酷くなり、膿や出血、口臭も一層強くなります。また、そのまま治療せずにいると歯が抜け落ちてしまうなど、歯周病末期の状態です。食事の際に痛みを伴うなど、日常生活にも支障をきたすレベルになります。

詰め物・被せ物

詰め物・被せ物の治療は、例えばむし歯治療などにより歯の一部を失ったとき、その部分を補うために行います。失った部分が小さければ詰め物、大きければ被せ物、歯そのものを失ったときはブリッジや入れ歯、インプラント治療などを行います。それぞれさまざまな種類があり、それによって素材や見た目も異なります。保険が効くか効かないかも種類や素材によって異なるため、まずはご相談ください。

支台築造

支台築造(ポスト&コア)とは、歯が大きく失われてそのままでは被せ物が入れられない場合に、樹脂や金属を材料とした土台を装着して被せ物が入れられるように歯を整える治療のことを言います。

虫歯が大きく進んで歯の中の神経を取る治療(抜髄)や、歯の根の中の治療(感染根管治療)をした後に行うのが一般的です。型を採って石膏模型を作製して築造体を作る間接法と、口腔内の歯に直接材料(主に樹脂を使用)を築盛して作る直接法があります。

右側はファイバーコア、中央は金合金コア、左側は銀合金コアです。

ファイバーコアメリットデメリット
歯と似た色をしているので、オールセラミッククラウンと併用すると天然歯に近い透明感のある色調を作り出すことが出来ます。また、歯と似た強度があるため、歯の破折を予防するメリットもあります。他の金属を使用する築造体と比べると治療費が高くなる傾向があります。
金合金コアメリットデメリット
ファイバーコアと比べ、歯と築造体との適合性に優れるため、隙間が出来にくいことが挙げられます。また、ファイバーよりも金属であるため強度が増します。他には、歯と似た硬さがあるので、歯の破折予防にも優れます。金属ゆえ透明感がないため、ファイバーコアに比べると審美性に劣ります。また、貴金属のため材料費が時価に左右されて高額になる傾向があります。
銀合金コアメリットデメリット
主に保険診療で使用されます。
治療費が安くなる傾向があります。
酸化して黒くなることや、銀合金に対して金属アレルギーのある方には不向きと言えます。

インレー

インレーとは、歯の咬む面にできた虫歯を削った後につめる部分的な詰め物のことを言います。

インレーは、セラミックで作る “セラミックインレー” の他に金属で作る “メタルインレー” やレジンで作る “レジンインレー” などがあります。

セラミックインレーとは、材料にセラミックを使ったインレーの事を言います。

セラミックインレーメリットデメリット
材料にセラミックを使用するため、金属で作るメタルインレーや、プラスチックで作るレジンインレーと比べて、天然歯に近い透明感のある審美性を作ることが出来ます。強い衝撃が加わると割れたり欠けたりしやすいことがあります。また、メタルインレーやレジンインレーに比べると、治療費が高くなる傾向があります。

クラウン

クラウンとは、歯を削った部分が大きく詰め物ができないときに、歯全体を覆う被せ物のことを言います。
クラウンは、セラミックで作る “オールセラミッククラウン” の他にセラミックと金属の両方で作る “メタルボンドクラウン” 金属のみで作る “メタルクラウン” などがあります。

オールセラミッククラウンとは、材料が全てセラミックで出来ている被せ物の事を言います。
セラミックを使用した被せ物には他に “メタルボンドクラウン” や “ハイブリッドセラミッククラウン” などがありますが、これらはセラミックの他に金属やプラスチックを材料に使用して作ります。そのため、天然歯に近い透明性のある色調を作るという点では、メタルボンドクラウンやハイブリッドセラミッククラインよりも、オールセラミッククラウンの方が優れていると言えます。

オールセラミッククラウンメリットデメリット
・審美性に優れている
透明な質感とツヤにより天然歯と似た審美性が再現できます。
このことより審美性が求められる前歯には最も適していると言えます。

・汚れが付きにくい
セラミックは汚れが付きにくく、変色しにくい特徴があります。
経年劣化が起きにくいため、審美性を維持することができます。

・金属アレルギーがない
金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。
・衝撃に弱い
セラミックはガラスに似た性質があり、強い衝撃が加わると欠けたりヒビが入ったりすることがあります。

・製作費が高価になる
オールセラミッククラウンは、メタルボンドやハイブリッドクラウンと比べると、製作に高度な技術や特殊な材料が必要なため、治療費が高くなる傾向があります。

メタルボンドクラウンとは、金属の被せ物の上にセラミックを焼き付けて作製する二重構造の被せ物の事を言います。
内面に使用する金属は、貴金属合金(ゴールドメタルなど)や非金属合金(ニッケルクロム合金など)があり、使用する金属によって材料費や特性が変わります。オールセラミッククラウンと比べると、内面に金属を使用するので光の透過性が低下します。

メタルボンドクラウンメリットデメリット
・強度があるので奥歯など力がかかる部位に適しています。

・保険適用のプラスチックの被せ物と比べると、天然歯に近い色調になります。

・オールセラミッククラウンよりも治療費が安い傾向があります。
・使用する金属によって金属アレルギーを起こす可能性があります。

・加齢により歯肉が下がると、金属ラインが目立つことがあります。

・オールセラミックと比べると光の透過性が低いため暗く見えます。

メタルクラウンとは、金属を材料として作る被せ物の事を言います。
使用する金属は金合金、12%金銀パラジウム合金、銀合金、ニッケルクロム合金などがあります。

メタルクラウンメリットデメリット
・保険診療で使用する金属だと治療費が安価になる。・金属色が目立つので審美性に欠ける。
・金属アレルギーのある方には使用できない金属がある。

その他むし歯・歯周病が進行し治療の効果が期待できないと判断された場合や、親知らずなどの抜歯も行なっています。
ただ歯は一生ものであり、どんなに高価な被せ物やインプラントを入れても天然歯(元々のご自身の歯)に勝ることはできません。
そのため抜歯は最終手段であり、当院ではできる限り抜歯を避けられるよう治療や予防に努めています。

■ 予防歯科

予防歯科とは、むし歯や歯周病をあらかじめ防ぐことに重点を置いた診療科です。「むし歯を治したいから歯科医院の予約を取る」「歯が痛いから受診する」という考え方では、一時的には治ったと思えても歯の寿命は縮まり治療費もかさむ一方です。

なぜならどんなに良い素材で高価な人工物(詰め物・被せ物やインプラントなど)を入れても、天然歯の機能に勝ることはできないからです。

そこで治療の必要性や痛みの有無に関係なく定期的に予防歯科を受診すれば、ご自身の健康を守りながら治療費も最小限に抑えることができます。

もちろん「予防歯科に定期的にかかっているのにむし歯・歯周病になってしまった」ということもありえます。ただ定期的に歯科を受診していることで、むし歯や歯周病を初期段階で見つけることができます。痛みなどの自覚症状さえ無い段階でも見つけることができます。これにより最小限の治療・処置で済み、治療中の痛みや負担もほとんど感じずに済むでしょう。

予防歯科を受診した際には、主に口腔内診査や歯磨き指導、クリーニングなどが行われます。口腔内診査では歯や歯ぐきの状態に異常が無いか、むし歯や歯周病の有無などを確認します。歯周組織の状態をさらに深く把握するため、レントゲン検査やお口の中の写真撮影、唾液や噛み合わせの検査を行うこともあります。

歯磨き指導では、歯科衛生士が中心となって歯磨き方法の確認や指導を行います。「幼少期から毎日している歯磨きの話をいまさら?」と思う方もいるかもしれません。しかし毎日の歯磨きはむし歯や歯周病だけでなく、お口の中全体あるいは全身の健康を守るためにとても重要なことなのです。

また幼少期から毎日していることだからこそ、その方法を見直したり正したりする機会は多くありません。そのため「時間をかけて磨いているのに実は汚れが多く残っていた」「癖により一部分だけ磨けていて残りはあまり磨けていなかった」といったことがよく起こります。

そこで歯科衛生士が、1人1人の口腔内状態や生活習慣などに合わせて歯磨き方法や清掃用具の指導まで行います。これと併せて、専門的な機械を使って歯ブラシだけでは届かない部分のクリーニングも行います。